すっかりご無沙汰のゴテ屋である。
趣味と化してるジャンクノートPCの修理だが、修理が終わったら知人に売ったりオークションに出品したりしている。
修理した動作品なのだが稀に動かないとクレームが来る場合があるが、殆どは落札者側のミスが多い。稀に発送前に部品を借りて戻すのを忘れることもあった...orz
以前、全然動かないとクレームが来たときがあった。
発送前の動作状況とは明らかに違う状態になっていると言うのであるが、運良く?返品の条件には当てはまらない状態であったので利用した運送会社の補償で対応していただいたのだが...
しかし、運送会社で独自に行った調査では問題がなく、補償には当てはまらないと査定されたようである。
まあ、箱の破損や梱包の状態で判断しているのだろうと思うが、明らかな外傷がなければ補償は受けられないようだ。
そこで、最終手段としてゴテ屋が査定(各部の写真や、部品それぞれの型番、シリアル等)をして発送前と同じ状態であれば返金すると申し出たのだが、それまで頻繁に連絡していたのにすっかり音信不通となってしまった。
多分だが、中身を入れ替えて返品しようとしていたのでは?
出品前には必ず全て型番やらシリアル番号、UUID、Mac アドレスなど記録して保管しているので、それを照合して査定すると申し出たので諦めたのだろう。
動かないマザーやHDDであっても FlashROM に型番とシリアル番号は入っているので比較的簡単に照合することが出来るのだ。
まあ、こんなこともあるだろうと情報を残してあったのが良かったが、普通なら「壊されて返品された」となってしまうだろう。
と言う事で、返品詐欺にご注意を!
PS:
さてさて、NEC のノートPCも飽きてきたので?次回は FMV でも弄ってみようかと。(笑)
2008年7月15日火曜日
NEC LaVie LL700/5
サボり始めて3ヶ月。どうやらゴテ屋には持久力が欠けているようである。
まあ、新しいネタが少なかったのがサボった本当の原因ではある。
さて、今回は NEC LaVie LL700/5 (PC-LL7005D) である。
入手時点で「DC コネクタがグラつき電源が切れる」「時計がリセットされることがある」と言う物で、簡単に直るだろうと考えていたがそうではなかった...
まずは状態を把握するために動作確認してみると、確かに DC コネクタがグラついて殆ど通電状態にならない。
このままでは動作確認も出来ないので、まずは DC コネクタの修理から取り掛かる。
いつものように分解しながら破損状況を確認してみると、確かに DC コネクタの3ピンの内2ピンが取れかかっている。しかも、1ピンは少し炭になっていて、もう少しで基板を炭化してしまうところだった。
幸いにも基板が無事なので、基板のクリーニング後に DC コネクタをゴム系接着剤を付けて固定後に半田付けして修理完了である。
これで通電が安定して出来るようになったので、残りの状況を確認することにする。
ざっと調べてみると以下のような不具合が見つかった。
(1)入手時点で指摘されている時計のリセットがたまにある。(DC/バッテリー共になし)
(2)FDD と DVD コンボドライブの読み込みが不安定。
(3)ヘッドホン端子が破損している。
(4)液晶のバックライト用インバーターが「チー」と鳴く。
(5)バッテリーが充電しない。(古い機種だから仕方がない)
不具合箇所が多すぎ...
何となく、2個1した余りで組み立てたような状態である。orz
それでは、1つずつクリアして行こう。
(1)の時計がリセットされてしまうのは内蔵のバックアップ電池の消耗が疑わしいが、電圧は 3V 以上あり問題はなかった。それならバックアップ電圧を切り替えるダイオードが破損しているのか?
回路を調べる前にバックアップ電池を取り外そうと持ち上げたら、電池フォルダの片足ごと持ち上がってしまった!きっと、バックアップ電池を取り外すときに壊したのだろう。
半田付けして終わりだが、ついでに(3)のヘッドホン端子も交換して修理完了である。
(2)の FDD は、分解してクリーニングとグリスアップでほぼ動くが、上側のヘッドは FD を挟み込むように動く部分でヘッドの角度がズレている場合がある。その場合は FD を入れたときに水平になるようにしてあげれば、ほぼ問題なく動く。ただし、微調整はかなり難しいだろう。
(2)の DVD コンボドライブは、半導体レーザーが劣化していなければピックアップレンズと内部のハーフミラーをクリーニングしてほぼ動く。それでも動かなければ半導体レーザーが劣化しているので、半固定抵抗を調整するが、これも微調整が難しい。それでも動かなければピックアップの角度や高さがズレているので、諦めた方がいいだろう。
今回はハーフミラーのクリーニングで読み込みや CD-RW の書き込みも安定するようになった。
残るは(4)のバックライト用インバーターの鳴きである。
バックライト用インバーターと言っても動作としては DC-AC コンバーターであるので単なる電源回路と考えよう。電源回路で鳴くのは殆どがコイルである。稀ではあるが、以前にチップコンデンサの不良で内部でスパークして鳴いていたこともあった。
まあ、コイルだろうと考えて分解してみると...
なんと!高圧用のコイルのコアが割れていた。
特に外部の損傷は見当たらないので、これは元々壊れていた可能性が高い。
予想では、インバーターの取り付けのときに基板を反らせてしまい、そのストレスがコイルに加わって割れてしまったと考えられる。検査でも通常通り動くのでそのまま出荷されてしまったのだろう。
割れていても動いていたことを考慮して、とりあえずコアをエポキシ系接着剤にて接着してみた。完全に硬化する前(少し弾力がある状態)に動作させてみると少し鳴っていたが、完全に硬化したら鳴きが収まったのでこれで修理完了としよう。
2個1の余ったようなジャンクノート PC でも実用上問題のないレベルに仕上がり満足な結果であったが、次の仕入れの時には状態をよく確認して入手したいものだ。
まあ、新しいネタが少なかったのがサボった本当の原因ではある。
さて、今回は NEC LaVie LL700/5 (PC-LL7005D) である。
入手時点で「DC コネクタがグラつき電源が切れる」「時計がリセットされることがある」と言う物で、簡単に直るだろうと考えていたがそうではなかった...
まずは状態を把握するために動作確認してみると、確かに DC コネクタがグラついて殆ど通電状態にならない。
このままでは動作確認も出来ないので、まずは DC コネクタの修理から取り掛かる。
いつものように分解しながら破損状況を確認してみると、確かに DC コネクタの3ピンの内2ピンが取れかかっている。しかも、1ピンは少し炭になっていて、もう少しで基板を炭化してしまうところだった。
幸いにも基板が無事なので、基板のクリーニング後に DC コネクタをゴム系接着剤を付けて固定後に半田付けして修理完了である。
これで通電が安定して出来るようになったので、残りの状況を確認することにする。
ざっと調べてみると以下のような不具合が見つかった。
(1)入手時点で指摘されている時計のリセットがたまにある。(DC/バッテリー共になし)
(2)FDD と DVD コンボドライブの読み込みが不安定。
(3)ヘッドホン端子が破損している。
(4)液晶のバックライト用インバーターが「チー」と鳴く。
(5)バッテリーが充電しない。(古い機種だから仕方がない)
不具合箇所が多すぎ...
何となく、2個1した余りで組み立てたような状態である。orz
それでは、1つずつクリアして行こう。
(1)の時計がリセットされてしまうのは内蔵のバックアップ電池の消耗が疑わしいが、電圧は 3V 以上あり問題はなかった。それならバックアップ電圧を切り替えるダイオードが破損しているのか?
回路を調べる前にバックアップ電池を取り外そうと持ち上げたら、電池フォルダの片足ごと持ち上がってしまった!きっと、バックアップ電池を取り外すときに壊したのだろう。
半田付けして終わりだが、ついでに(3)のヘッドホン端子も交換して修理完了である。
(2)の FDD は、分解してクリーニングとグリスアップでほぼ動くが、上側のヘッドは FD を挟み込むように動く部分でヘッドの角度がズレている場合がある。その場合は FD を入れたときに水平になるようにしてあげれば、ほぼ問題なく動く。ただし、微調整はかなり難しいだろう。
(2)の DVD コンボドライブは、半導体レーザーが劣化していなければピックアップレンズと内部のハーフミラーをクリーニングしてほぼ動く。それでも動かなければ半導体レーザーが劣化しているので、半固定抵抗を調整するが、これも微調整が難しい。それでも動かなければピックアップの角度や高さがズレているので、諦めた方がいいだろう。
今回はハーフミラーのクリーニングで読み込みや CD-RW の書き込みも安定するようになった。
残るは(4)のバックライト用インバーターの鳴きである。
バックライト用インバーターと言っても動作としては DC-AC コンバーターであるので単なる電源回路と考えよう。電源回路で鳴くのは殆どがコイルである。稀ではあるが、以前にチップコンデンサの不良で内部でスパークして鳴いていたこともあった。
まあ、コイルだろうと考えて分解してみると...
なんと!高圧用のコイルのコアが割れていた。
特に外部の損傷は見当たらないので、これは元々壊れていた可能性が高い。
予想では、インバーターの取り付けのときに基板を反らせてしまい、そのストレスがコイルに加わって割れてしまったと考えられる。検査でも通常通り動くのでそのまま出荷されてしまったのだろう。
割れていても動いていたことを考慮して、とりあえずコアをエポキシ系接着剤にて接着してみた。完全に硬化する前(少し弾力がある状態)に動作させてみると少し鳴っていたが、完全に硬化したら鳴きが収まったのでこれで修理完了としよう。
2個1の余ったようなジャンクノート PC でも実用上問題のないレベルに仕上がり満足な結果であったが、次の仕入れの時には状態をよく確認して入手したいものだ。
2008年4月17日木曜日
Flash ROM Writer Rev.1.1
※ISA バスの動作速度やアクセスタイミングについて間違っていたので修正...orz
先日プリンターポートを壊したと報告したが、その原因はこれである。
そう、Flash ROM Writer の制御プログラムを作っていてその検証中にプリンターポートを壊してしまったのだ。
Pentium III を使っていた頃に作ったもので、もう6,7年前になるだろう。
当時の BIOS ROM は丁度 DIP から PLCC に切り替わる途中であった為、ベースは DIP にしておき PLCC はアダプターで対応しようと考えていたのだが、結局は DIP しか使わずアダプターを作っていなかった。
特に回路図は載せないが、写真でも判るように多くのラッチとバッファ、ゲートが少しと電源制御のリレーのみの単純な回路だ。構成としては、74HC574 のラッチを使い制御レジスタ 8bit と ROM のデータ 8bit、アドレス 23bit(1bit は制御で利用)を持ち 74HC245 で ROM のデータ読み込みを制御している。つまり、プリンターポートを 8bit の双方向バスとして使うような作りとなっている。
今回、何故これが必要になったかと言うと...
最近仕入れたノート PC の BIOS を書き換えて実験していたら、突然電源が入らなくなってしまった。「あ、BIOS 飛ばした!」と割と冷静に考えていた。そう、前に作った Flash ROM 切替機で簡単に復旧できると思っていたのだ。
しかし、そうは簡単ではなかったのだ!?
その BIOS を飛ばしてしまったノート PC では、シャドー RAM に BIOS ROM を読み込んでアクセスするようにはなっておらず常に Flash ROM をアクセスする物であった為だ。状況としては、正常に動く BIOS で起動して書き込みの寸前で Flash ROM を切り替えると、そのタイミングで電源が落ちてしまう。
このままでは電源が落ちてしまって Flash ROM を書き込むことが出来ない。
そこで、Flash ROM Writer を引っ張り出してきたのである。
作成時は MS-DOS 上で動くプログラムで制御していたが、その制御ソフトが入っている CD-R が読めなくなっていたので、今回は Windows 上で動くように VisualBasic で作ってみた。
VisualBasic からは直接ポートを制御できないので、フリーソフトで適当なアクセス用 DLL を使っているが、どの DLL でもそんなに差はないようである。
DLL 経由でポートをアクセスしてて更に Windows であることを考えるとアクセスのタイミングはそんなに意識しなくても良いだろうと単純に作っていたのだが、なかなか安定しない。
やはりタイミング的に厳しい部分があるのかとオシロスコープで探ってみると、制御用のラッチがリセットされてしまう場合があるようだ。タイミング的にはポートを出力から入力に切り替えてデータを読み込む時に消えてしまう。
そのタイミングを擬似的に連続して実行してみると...入力に切り替えてからバッファ出力をイネーブルにする時に制御レジスタのラッチに使っていた -STROBE に 0.5V 前後のノイズが載っている!
前回のプリンターポートを壊したレポートはこの辺り!?(笑)
マザーボード(ASUSTeK P4GE-V)のプリンターポートとインピーダンスが合わなかったのかデータ線の反射が -STROBE に出てしまったようだ。まあ、原因はインピーダンスであろうと思いデータ線に集合抵抗でプルダウンすると、綺麗な信号になり安定するようになったが、まだ読み込みでデータ化けがあるようだ。
更にアクセスタイミングを調べてみると...ありました。2つも!
1つは、ROM へ供給するデータとアドレスを持つラッチの動作で、ここは制御レジスタからの 2bit で 74HC138 のデコードからラッチを作っているが、データのホールド時間が足りなくなる。もう1つは、書き込み時のライトパルス幅が少なくて正常に書き込みできない。
適当なウェイトループやダミーステップを入れたら、完全に安定して動くようになった。
プリンターポートは IBM PC/AT の頃から仕様が変わらないため ISA バスのアクセス速度である 33.3MHz が限界なのだが、VisualBasic で組んだアプリケーションで DLL 経由でアクセスしているにもかかわらず 33.3MHz の限界に近い速度で動いているようだ。
プリンターポートは IBM PS/2 の頃から基本的な仕様は変わらないが、Super I/O やサウスブリッジの中に組み込まれたので動作速度は使用する LSI で決まってくる。当然、CPU やチップセットが早くなれば、それなりにアクセスタイミングを考慮しなければならないようだ。
※33MHz は PCI バスでした。PC/AT の ISA バスは 8MHz です。
※入力が可能になったのは PC/AT の頃ではなく PS/2 になってからでした。
しかし、PC の速度は昔に比べてかなり速くなったものだ...
先日プリンターポートを壊したと報告したが、その原因はこれである。
そう、Flash ROM Writer の制御プログラムを作っていてその検証中にプリンターポートを壊してしまったのだ。
Pentium III を使っていた頃に作ったもので、もう6,7年前になるだろう。
当時の BIOS ROM は丁度 DIP から PLCC に切り替わる途中であった為、ベースは DIP にしておき PLCC はアダプターで対応しようと考えていたのだが、結局は DIP しか使わずアダプターを作っていなかった。
特に回路図は載せないが、写真でも判るように多くのラッチとバッファ、ゲートが少しと電源制御のリレーのみの単純な回路だ。構成としては、74HC574 のラッチを使い制御レジスタ 8bit と ROM のデータ 8bit、アドレス 23bit(1bit は制御で利用)を持ち 74HC245 で ROM のデータ読み込みを制御している。つまり、プリンターポートを 8bit の双方向バスとして使うような作りとなっている。
今回、何故これが必要になったかと言うと...
最近仕入れたノート PC の BIOS を書き換えて実験していたら、突然電源が入らなくなってしまった。「あ、BIOS 飛ばした!」と割と冷静に考えていた。そう、前に作った Flash ROM 切替機で簡単に復旧できると思っていたのだ。
しかし、そうは簡単ではなかったのだ!?
その BIOS を飛ばしてしまったノート PC では、シャドー RAM に BIOS ROM を読み込んでアクセスするようにはなっておらず常に Flash ROM をアクセスする物であった為だ。状況としては、正常に動く BIOS で起動して書き込みの寸前で Flash ROM を切り替えると、そのタイミングで電源が落ちてしまう。
このままでは電源が落ちてしまって Flash ROM を書き込むことが出来ない。
そこで、Flash ROM Writer を引っ張り出してきたのである。
作成時は MS-DOS 上で動くプログラムで制御していたが、その制御ソフトが入っている CD-R が読めなくなっていたので、今回は Windows 上で動くように VisualBasic で作ってみた。
VisualBasic からは直接ポートを制御できないので、フリーソフトで適当なアクセス用 DLL を使っているが、どの DLL でもそんなに差はないようである。
DLL 経由でポートをアクセスしてて更に Windows であることを考えるとアクセスのタイミングはそんなに意識しなくても良いだろうと単純に作っていたのだが、なかなか安定しない。
やはりタイミング的に厳しい部分があるのかとオシロスコープで探ってみると、制御用のラッチがリセットされてしまう場合があるようだ。タイミング的にはポートを出力から入力に切り替えてデータを読み込む時に消えてしまう。
そのタイミングを擬似的に連続して実行してみると...入力に切り替えてからバッファ出力をイネーブルにする時に制御レジスタのラッチに使っていた -STROBE に 0.5V 前後のノイズが載っている!
前回のプリンターポートを壊したレポートはこの辺り!?(笑)
マザーボード(ASUSTeK P4GE-V)のプリンターポートとインピーダンスが合わなかったのかデータ線の反射が -STROBE に出てしまったようだ。まあ、原因はインピーダンスであろうと思いデータ線に集合抵抗でプルダウンすると、綺麗な信号になり安定するようになったが、まだ読み込みでデータ化けがあるようだ。
更にアクセスタイミングを調べてみると...ありました。2つも!
1つは、ROM へ供給するデータとアドレスを持つラッチの動作で、ここは制御レジスタからの 2bit で 74HC138 のデコードからラッチを作っているが、データのホールド時間が足りなくなる。もう1つは、書き込み時のライトパルス幅が少なくて正常に書き込みできない。
適当なウェイトループやダミーステップを入れたら、完全に安定して動くようになった。
プリンターポートは IBM PS/2 の頃から基本的な仕様は変わらないが、Super I/O やサウスブリッジの中に組み込まれたので動作速度は使用する LSI で決まってくる。当然、CPU やチップセットが早くなれば、それなりにアクセスタイミングを考慮しなければならないようだ。
※33MHz は PCI バスでした。PC/AT の ISA バスは 8MHz です。
※入力が可能になったのは PC/AT の頃ではなく PS/2 になってからでした。
しかし、PC の速度は昔に比べてかなり速くなったものだ...
2008年4月16日水曜日
ASUSTeK P4GE-V
ゴテ屋の机の周りはいつもゴチャゴチャしている。テスターにオシロスコープ、電源、PC 一式、取り外した部品や電線のゴミ、資料の山と灰皿...当然ゴテもある。
そんな中、ある装置を PC のプリンターポートに接続しながらプログラムのデバッグしていたのだが、突然プリンターポートが反応しなくなった...
あぁ、何かに接触してポートを壊してしまったらしい!
サブ用の PC なのでプリンターが使えなくても問題は無いが、プログラミング環境を別の PC に移すのが面倒である。
と言う事で?この PC のマザーボードを修理することにした。
マザーボードは ASUSTeK P4GE-V で、もうかなり古い Socket 478 の物であるが、Pentium4 1.6GHz を 2GHz にオーバークロックしているのでビジネスアプリやちょっとしたプログラミングならばストレス無く使えていたのだ。
早速とマザーボードを取り出してプリンターポートを調べてみると、案の定 Super I/O である ITE IT8708F-A から直接プリンターポートに接続されている...QFP 100pin !取り外すのが面倒である。
QFP のようなピン数の多い物を取り外すには、普通なら低温半田を使うと綺麗に取り外せるが、使い捨てであるにもかかわらず価格が高いのが難点だ。しかも、正常に動く Super I/O を単品で購入する訳でもなく、ジャンクのマザーボードから移植するので2倍の量を使うことになってしまう。
そこで、いつもの手法で作業することにした。
(1)壊れた Super I/O は足の根元から切断
(2)パッケージ部分だけ取り出した後に残った足をゴテで取る
(3)正常な Super I/O の足の裏側に細いメッキ線を通して、線を引きながらゴテで足を浮かせる
(4)3方の足が浮いたら残りの1方を半田を大量に載せて、あとは全体をスライドさせながら取り外す
(5)正常な Super I/O の半田を除去し、足の曲がりを修正
と、簡単に書いているがかなりコツが必要な作業方法である。
ここまで準備が出来たら、後は取り付けるだけだ。
いつものように一気に半田を載せて、半田吸い取り線で綺麗に仕上げて完了である。
慣れれば30分もかからない作業だが、半田ブリッジの確認は十分にしておきたい。せっかく修理したのに電源系でショートして他の部分を壊してしまわないようにしたいものである。
そんな中、ある装置を PC のプリンターポートに接続しながらプログラムのデバッグしていたのだが、突然プリンターポートが反応しなくなった...
あぁ、何かに接触してポートを壊してしまったらしい!
サブ用の PC なのでプリンターが使えなくても問題は無いが、プログラミング環境を別の PC に移すのが面倒である。
と言う事で?この PC のマザーボードを修理することにした。
マザーボードは ASUSTeK P4GE-V で、もうかなり古い Socket 478 の物であるが、Pentium4 1.6GHz を 2GHz にオーバークロックしているのでビジネスアプリやちょっとしたプログラミングならばストレス無く使えていたのだ。
早速とマザーボードを取り出してプリンターポートを調べてみると、案の定 Super I/O である ITE IT8708F-A から直接プリンターポートに接続されている...QFP 100pin !取り外すのが面倒である。
QFP のようなピン数の多い物を取り外すには、普通なら低温半田を使うと綺麗に取り外せるが、使い捨てであるにもかかわらず価格が高いのが難点だ。しかも、正常に動く Super I/O を単品で購入する訳でもなく、ジャンクのマザーボードから移植するので2倍の量を使うことになってしまう。
そこで、いつもの手法で作業することにした。
(1)壊れた Super I/O は足の根元から切断
(2)パッケージ部分だけ取り出した後に残った足をゴテで取る
(3)正常な Super I/O の足の裏側に細いメッキ線を通して、線を引きながらゴテで足を浮かせる
(4)3方の足が浮いたら残りの1方を半田を大量に載せて、あとは全体をスライドさせながら取り外す
(5)正常な Super I/O の半田を除去し、足の曲がりを修正
と、簡単に書いているがかなりコツが必要な作業方法である。
ここまで準備が出来たら、後は取り付けるだけだ。
いつものように一気に半田を載せて、半田吸い取り線で綺麗に仕上げて完了である。
慣れれば30分もかからない作業だが、半田ブリッジの確認は十分にしておきたい。せっかく修理したのに電源系でショートして他の部分を壊してしまわないようにしたいものである。
2008年4月4日金曜日
NEC MK+ Series
今回は NEC LaVie LL550/5 で使われている MK+ Series キーボードである。
この機種のキーボードは高確率でキーボード不良となるようで、ジャンクが沢山出回っている。以前に「キーボード交換では直らない」という記事を書いたが、この機種では一概にそうとは言えないので詳しく調べてみることにする。
一般的にノート PC のキーボードは分解できない構造のものが多いが、この機種では比較的容易に分解することが出来る構造になっている。分解手順は次のようになる。
(1)キートップを取り外す(パンタグラフの向きに注意)
(2)カーソルキー近くのプラスチック部品を取り外す(裏からネジ止め)
(3)パンタグラフを取り外す(2つのパーツになっていて、片方をスライドさせると外れる)
(4)シリコン系のシートを取り外す(キーの接点を押すためのシート1枚)
(5)配線パターンと接点を持つシートを取り外す(ここが回路になっている)
説明すると簡単なようだが、キーの数が多いので時間がかかる...
(5)まで作業するとこのよう状態になる。
このキーボードは何かの液体をこぼしたようで、その痕がハッキリと確認できる。しかし、配線パターンのシートは密閉構造なのでこれがキーボード不良の原因ではない。
では、何が原因かと調べてみると...なんと、原因は配線パターンの構造にあった!
写真の右下にあるのが配線パターンや接点を持っているシート1枚だが、実は上中下の3枚シートで構成されている。
中間のシートは上下のシートの絶縁のみで、配線パターンは上下のシートにあり、左端の所で折り返されていて、広げると1枚のシートになる。上下それぞれのシートには接点を持っていて、キーを押すとその接点が接触してスイッチを構成している。
配線を横切る場合もあるので、その場合は絶縁体を配線の上に塗布してからその上に更に配線している。
さて不良の場所だが、この絶縁体(写真の右下のシートの緑色の部分)が不完全なところがあり、配線の下と上で少し抵抗値を持ったような状態でショートしているのである。
今回見たキーボードでは、十字に重なるような部分では問題は無いが、下の配線と同じ向きに長い距離の上の配線がある部分で半ショートしていた。
半ショートした原因は、予想では周囲の湿度の影響で絶縁体が劣化したのだろうと思われるが、そもそも長い配線を絶縁体の上で配線するような構造が悪いのだろう。
このキーボードが付いていた NEC LaVie LL550/5 だが、キーボード不良以外にマザーボード側にも不具合があってキーボードが動かなくなっていた。やはりキーボードの交換だけでは完全には直らないようだ。
この機種のキーボードは高確率でキーボード不良となるようで、ジャンクが沢山出回っている。以前に「キーボード交換では直らない」という記事を書いたが、この機種では一概にそうとは言えないので詳しく調べてみることにする。
一般的にノート PC のキーボードは分解できない構造のものが多いが、この機種では比較的容易に分解することが出来る構造になっている。分解手順は次のようになる。
(1)キートップを取り外す(パンタグラフの向きに注意)
(2)カーソルキー近くのプラスチック部品を取り外す(裏からネジ止め)
(3)パンタグラフを取り外す(2つのパーツになっていて、片方をスライドさせると外れる)
(4)シリコン系のシートを取り外す(キーの接点を押すためのシート1枚)
(5)配線パターンと接点を持つシートを取り外す(ここが回路になっている)
説明すると簡単なようだが、キーの数が多いので時間がかかる...
(5)まで作業するとこのよう状態になる。
このキーボードは何かの液体をこぼしたようで、その痕がハッキリと確認できる。しかし、配線パターンのシートは密閉構造なのでこれがキーボード不良の原因ではない。
では、何が原因かと調べてみると...なんと、原因は配線パターンの構造にあった!
写真の右下にあるのが配線パターンや接点を持っているシート1枚だが、実は上中下の3枚シートで構成されている。
中間のシートは上下のシートの絶縁のみで、配線パターンは上下のシートにあり、左端の所で折り返されていて、広げると1枚のシートになる。上下それぞれのシートには接点を持っていて、キーを押すとその接点が接触してスイッチを構成している。
配線を横切る場合もあるので、その場合は絶縁体を配線の上に塗布してからその上に更に配線している。
さて不良の場所だが、この絶縁体(写真の右下のシートの緑色の部分)が不完全なところがあり、配線の下と上で少し抵抗値を持ったような状態でショートしているのである。
今回見たキーボードでは、十字に重なるような部分では問題は無いが、下の配線と同じ向きに長い距離の上の配線がある部分で半ショートしていた。
半ショートした原因は、予想では周囲の湿度の影響で絶縁体が劣化したのだろうと思われるが、そもそも長い配線を絶縁体の上で配線するような構造が悪いのだろう。
このキーボードが付いていた NEC LaVie LL550/5 だが、キーボード不良以外にマザーボード側にも不具合があってキーボードが動かなくなっていた。やはりキーボードの交換だけでは完全には直らないようだ。
2008年3月31日月曜日
NEC PC-VP-WP17
今回は、前回と同じ HARD OFF で仕入れたジャンク AC アダプター NEC PC-VP-WP17 (19V/3.16A) である。
ここで売られている AC アダプターは動かないものは殆どなくいつも安心して購入している。
しかし、この AC アダプターは袋詰めしてあり、更に2個も棚置きされていてとても怪しい...
いつもならコンテナ BOX に投げ入れられて売られているが、840円と安い値段なのに棚置きとなれば何かしらの不具合が隠されているようだ。
と、そんな事を頭の中で考えながら2つの袋をレジに...そう、ゴテ屋は怪しいものが好きなのだ。(笑)
早速と動作確認すると、最初の1つは DC 出力ケーブルが少し痛んでいるだけで見事に通電したが、もう1つはまったく出力が出ない。おぉ、本物のジャンクだ!
最近の AC アダプターは徹底的なコストダウンのためかネジが使われてなく接着剤で張り付けてある。更には、通電確認用のインジケーター部分があるのに基板には LED も付いていない。
分解するのにすぐに思いつくのは、マイナスドライバーなどの先の薄いものでこじ開けたくなる。しかし、無理にこじ開けると組みなおしたときに傷だらけで格好が悪くなってしまう。
そんな時は「叩き割る」のがいいのである!?
本当に割ってしまったらもっと悲惨であるが、要は叩くことで接着剤で張り付いている弱い部分を割ってしまうのだ。傷があまりつかないようにするにはプラスチックハンマーが丁度いいようで、接合部全体を軽く叩きながら様子を見て殻割りするといいだろう。
さて、殻割が出来たところで本題に戻そう。
シールド版の半田を取って絶縁シートと一緒に取り外すと...
サーミスタの取り付け部分の基板が燃えてしまっている。どうやら半田クラックのまま使い続けているうちにスパークしてた所から炭化して、更に熱も加わり基板が燃えてしまったようだ。この程度で済んでよかったが、下手をすれば発火していただろう。
とりあえず部品にはダメージが無いようなので基板の補修のみで動きそうだ。適当に基板パターンを補修して修理完了である。
これで使える AC アダプターが2個手に入った。またジャンクノート PC でも仕入れるかな?
ここで売られている AC アダプターは動かないものは殆どなくいつも安心して購入している。
しかし、この AC アダプターは袋詰めしてあり、更に2個も棚置きされていてとても怪しい...
いつもならコンテナ BOX に投げ入れられて売られているが、840円と安い値段なのに棚置きとなれば何かしらの不具合が隠されているようだ。
と、そんな事を頭の中で考えながら2つの袋をレジに...そう、ゴテ屋は怪しいものが好きなのだ。(笑)
早速と動作確認すると、最初の1つは DC 出力ケーブルが少し痛んでいるだけで見事に通電したが、もう1つはまったく出力が出ない。おぉ、本物のジャンクだ!
最近の AC アダプターは徹底的なコストダウンのためかネジが使われてなく接着剤で張り付けてある。更には、通電確認用のインジケーター部分があるのに基板には LED も付いていない。
分解するのにすぐに思いつくのは、マイナスドライバーなどの先の薄いものでこじ開けたくなる。しかし、無理にこじ開けると組みなおしたときに傷だらけで格好が悪くなってしまう。
そんな時は「叩き割る」のがいいのである!?
本当に割ってしまったらもっと悲惨であるが、要は叩くことで接着剤で張り付いている弱い部分を割ってしまうのだ。傷があまりつかないようにするにはプラスチックハンマーが丁度いいようで、接合部全体を軽く叩きながら様子を見て殻割りするといいだろう。
さて、殻割が出来たところで本題に戻そう。
シールド版の半田を取って絶縁シートと一緒に取り外すと...
サーミスタの取り付け部分の基板が燃えてしまっている。どうやら半田クラックのまま使い続けているうちにスパークしてた所から炭化して、更に熱も加わり基板が燃えてしまったようだ。この程度で済んでよかったが、下手をすれば発火していただろう。
とりあえず部品にはダメージが無いようなので基板の補修のみで動きそうだ。適当に基板パターンを補修して修理完了である。
これで使える AC アダプターが2個手に入った。またジャンクノート PC でも仕入れるかな?
2008年3月30日日曜日
Pioneer X-RS7
1ヶ月以上仕事漬けの毎日であった...
さて、久々のネタは Pioneer CD/MD ミニコンポーネントシステム X-RS7 である。
約8年前の製品ではあるが、HARD OFF のジャンクコーナーで見かけたときにケブラー繊維を配合したスピーカーが気に入ったので購入してみた。
当然ジャンクコーナーにあった商品であるので何かしらの不具合があるだろうと思ったが、動作確認すると次々と誤動作の嵐が...
あぁ忘れてた、Pioneer ってメカ系が弱いんだった!
これだけで故障か場所が分かってしまう「あなた」は結構ジャンクをいじってますね。(笑)
そう、Pioneer のメカ系で多く使われているリミットスイッチの誤動作が原因だ。
各部のリミットスイッチを全部交換してあげれば修理はできるが、同じスイッチを探すのが面倒である。
まあ、接点不良なのでクリーナーで洗浄と接点復活剤にて応急処置しておこう。
8年モノだから寿命と言えばそうなのだが、安いスイッチを使わないでフォトカプラで設計してください。>Pioneer
さて、久々のネタは Pioneer CD/MD ミニコンポーネントシステム X-RS7 である。
約8年前の製品ではあるが、HARD OFF のジャンクコーナーで見かけたときにケブラー繊維を配合したスピーカーが気に入ったので購入してみた。
当然ジャンクコーナーにあった商品であるので何かしらの不具合があるだろうと思ったが、動作確認すると次々と誤動作の嵐が...
あぁ忘れてた、Pioneer ってメカ系が弱いんだった!
これだけで故障か場所が分かってしまう「あなた」は結構ジャンクをいじってますね。(笑)
そう、Pioneer のメカ系で多く使われているリミットスイッチの誤動作が原因だ。
各部のリミットスイッチを全部交換してあげれば修理はできるが、同じスイッチを探すのが面倒である。
まあ、接点不良なのでクリーナーで洗浄と接点復活剤にて応急処置しておこう。
8年モノだから寿命と言えばそうなのだが、安いスイッチを使わないでフォトカプラで設計してください。>Pioneer
2008年2月17日日曜日
Canon BJC-35v
今回は Canon BJC-35v の修理である。
プリンターの故障の場合は、ヘッドのインク詰まりによる印字不良や用紙送りの不具合が多い。
このプリンターも印字不良として修理を依頼されたが、よくあるインク詰まりによる印字不良ではないようで、依頼人からも「重症かも知れない」と言い渡されている。
まず動作検証してみると、確かに重症で文字化けとは違いドットの配列が間違っているような感じで印刷されている。なかなか言葉で表現できないが、簡単に言うなら誤動作しながら印刷しているような感じだ。
早速と分解開始!
以前に廃インクエラーで動かなくなった Canon BJ M70 を分解しているので、分解は手馴れたものだ。
そもそも古い機種なのでメカ系のメンテナンスをしながら各部の様子を見てみると、全体的に高湿度の環境で使われたような汚れが見られる。廃インクパッドはメーカーにて交換されているようで、湿気の影響は少ないようだ。
高湿度の環境で使用しているとフレキケーブルやコネクタに水分が付着し錆び付いて接触不良になることが多いが、メーカーにて廃インクパッドの交換時にメンテナンスされたのかフレキケーブルやコネクタは綺麗な状態になっている。
とりあえず制御基板を取り外して見てみると...カスタム LSI のリードが腐食している!
このカスタム LSI は QFP 0.65mm ピッチ(未実測、予想値)なのでゴミに湿気が溜まり腐食したのだろうと思うが、以前に廃インクパッドの交換をメーカーでしているのでメンテナンス時に汗が付いて腐食した可能性もある。正確な要因は分からないが、どちらにしろ高湿度環境があって故障したのは確かだ。
さて、この腐食の修理だが、本来なら LSI を取り外して基板の洗浄と補修後に LSI を取り付けるのがベストと思う。しかし、代替の利かないカスタム LSI なので取り外しはしたくない。
そこで、この 0.65mm ピッチ間をお手製の工具で掃除することにした。
この工具の製作は簡単で、2mm 程度のピアノ線を適当な長さに切ってその端をハンマーで叩き薄く伸ばしやすりで成形して出来上がりである。焼き入れで硬く仕上げる必要はなく、逆に柔らかい方が使いやすく部品を傷めにくい。更に砥石で仕上げれば超小型ナイフもできてしまう。
では、話を戻そう。
この先の薄い工具を使ってクリーナーを吹きつけながら掃除して、必要に応じて半田で仕上げれば完了である。あとは、また錆び付かないように基板全体を洗浄しておこう。
グリスアップしながら分解した手順を逆にして組立し、カバーを外したまま動作確認で正常に印刷できた。
ここまで整備しておけばヘッドが壊れるまで動くと思うが、くれぐれも湿度には気をつけるように依頼人に言わなければ...
プリンターの故障の場合は、ヘッドのインク詰まりによる印字不良や用紙送りの不具合が多い。
このプリンターも印字不良として修理を依頼されたが、よくあるインク詰まりによる印字不良ではないようで、依頼人からも「重症かも知れない」と言い渡されている。
まず動作検証してみると、確かに重症で文字化けとは違いドットの配列が間違っているような感じで印刷されている。なかなか言葉で表現できないが、簡単に言うなら誤動作しながら印刷しているような感じだ。
早速と分解開始!
以前に廃インクエラーで動かなくなった Canon BJ M70 を分解しているので、分解は手馴れたものだ。
そもそも古い機種なのでメカ系のメンテナンスをしながら各部の様子を見てみると、全体的に高湿度の環境で使われたような汚れが見られる。廃インクパッドはメーカーにて交換されているようで、湿気の影響は少ないようだ。
高湿度の環境で使用しているとフレキケーブルやコネクタに水分が付着し錆び付いて接触不良になることが多いが、メーカーにて廃インクパッドの交換時にメンテナンスされたのかフレキケーブルやコネクタは綺麗な状態になっている。
とりあえず制御基板を取り外して見てみると...カスタム LSI のリードが腐食している!
このカスタム LSI は QFP 0.65mm ピッチ(未実測、予想値)なのでゴミに湿気が溜まり腐食したのだろうと思うが、以前に廃インクパッドの交換をメーカーでしているのでメンテナンス時に汗が付いて腐食した可能性もある。正確な要因は分からないが、どちらにしろ高湿度環境があって故障したのは確かだ。
さて、この腐食の修理だが、本来なら LSI を取り外して基板の洗浄と補修後に LSI を取り付けるのがベストと思う。しかし、代替の利かないカスタム LSI なので取り外しはしたくない。
そこで、この 0.65mm ピッチ間をお手製の工具で掃除することにした。
この工具の製作は簡単で、2mm 程度のピアノ線を適当な長さに切ってその端をハンマーで叩き薄く伸ばしやすりで成形して出来上がりである。焼き入れで硬く仕上げる必要はなく、逆に柔らかい方が使いやすく部品を傷めにくい。更に砥石で仕上げれば超小型ナイフもできてしまう。
では、話を戻そう。
この先の薄い工具を使ってクリーナーを吹きつけながら掃除して、必要に応じて半田で仕上げれば完了である。あとは、また錆び付かないように基板全体を洗浄しておこう。
グリスアップしながら分解した手順を逆にして組立し、カバーを外したまま動作確認で正常に印刷できた。
ここまで整備しておけばヘッドが壊れるまで動くと思うが、くれぐれも湿度には気をつけるように依頼人に言わなければ...
2008年1月25日金曜日
NEC LaVie LL1000N/84DH
今回もまた電源の入らないジャンクノートPCである。(笑)
物はいつもの VIA KT133 チップセットを使った NEC LaVie LL1000N/84DH (PC-LL1000N84DH) で、もう何度も修理しているお馴染みの筐体となっている。
何処が壊れているのかワクワクしながら分解してゆくと、特に気になる部分も無くマザーボードも綺麗なもので、久々に手応えのあるジャンクのようだ。
早速とバラック状態で動作確認してみると...
(1)通電は可能
(2)2つあるファンが少し動いて止まる(1秒前後)
(3)電源スイッチの長押しで電源が切れる
(4)光学ドライブのイジェクトができない
ん~ここまでではファンが少し動くので BIOS 飛びか、光学ドライブに通電されていないように見えるので +5V 系のトラブルか?
今度は CPU を取り外してマザーボード単体で各部の電圧を調べてみた。
(1)気になっていた +5V は正常
(2)+3.3V や Vtt 等の通常使う電源系も正常
(3)電源投入や強制切断が出来ているので問題ないと思いながらスタンバイ系も調べたが正常
益々 BIOS が怪しくなってきたが、少し変である。
+5V が正常なのに光学ドライブのイジェクトが出来ていない。
そう、IDE インターフェースを受け持っているサウスチップが動いてなく IDE が常にリセット状態のようだ。
デスクトップPCならサウスチップで電源制御しているので電源投入や強制切断が出来ているとほぼサウスチップは動いていると思うが、インスタント機能や独自の制御を持つようなノートPCでは別にマイコンチップ(Embedded Controller の場合もある)で電源制御している。
このマザーボードでは HITACHI(RENESAS) HD64F3434TF16 が使われており、H8 マイコンと言えば知っている人も多いだろう。ちなみにこのマイコンは H8/3437 シリーズの1つで H8/300 シリーズとプログラム上は同等らしい。
さて、話を戻そう。
この H8 マイコンで電源の監視と制御をしているようで、何処かで不具合があると止まるようだ。
と言う事は...
少しファンが動くのはマイコンチップで制御している可能性があり、BIOS 以前の問題である可能性がある。それなら CPU が動いていないことになる...あっ、コア電圧を調べてなかった!orz
予想的中である。コア電圧が CPU に供給されていない!
コア電圧なら制御ICか Power MOSFET だろうと調べてみたが特に問題が無く、他にも何かあるのかテスターで調べてゆくと...なんと!コイルが切れているのを発見した。
しかし、テスターでコイルの端子を上から測ると正常。端子の横から測ると切れている...あれ?
よく分からないので取り外してみたら...
写真では見難いが内部のコイルとパッケージの端子の間に隙間が出来ていて切れていた。多分、熱で変形して切れたのだろう。
半田で補修しても熱で溶ける可能性があるので交換することにしたが、コア電圧系で使う 1.5uH が無く値が近い 1.8uH を取り付けてみた。結果は...修理完了である。
最初から電圧を全部調べていたら苦労することも無かったのに、動作状況に振り回されてかなり遠回りしてしまった感じである。
物はいつもの VIA KT133 チップセットを使った NEC LaVie LL1000N/84DH (PC-LL1000N84DH) で、もう何度も修理しているお馴染みの筐体となっている。
何処が壊れているのかワクワクしながら分解してゆくと、特に気になる部分も無くマザーボードも綺麗なもので、久々に手応えのあるジャンクのようだ。
早速とバラック状態で動作確認してみると...
(1)通電は可能
(2)2つあるファンが少し動いて止まる(1秒前後)
(3)電源スイッチの長押しで電源が切れる
(4)光学ドライブのイジェクトができない
ん~ここまでではファンが少し動くので BIOS 飛びか、光学ドライブに通電されていないように見えるので +5V 系のトラブルか?
今度は CPU を取り外してマザーボード単体で各部の電圧を調べてみた。
(1)気になっていた +5V は正常
(2)+3.3V や Vtt 等の通常使う電源系も正常
(3)電源投入や強制切断が出来ているので問題ないと思いながらスタンバイ系も調べたが正常
益々 BIOS が怪しくなってきたが、少し変である。
+5V が正常なのに光学ドライブのイジェクトが出来ていない。
そう、IDE インターフェースを受け持っているサウスチップが動いてなく IDE が常にリセット状態のようだ。
デスクトップPCならサウスチップで電源制御しているので電源投入や強制切断が出来ているとほぼサウスチップは動いていると思うが、インスタント機能や独自の制御を持つようなノートPCでは別にマイコンチップ(Embedded Controller の場合もある)で電源制御している。
このマザーボードでは HITACHI(RENESAS) HD64F3434TF16 が使われており、H8 マイコンと言えば知っている人も多いだろう。ちなみにこのマイコンは H8/3437 シリーズの1つで H8/300 シリーズとプログラム上は同等らしい。
さて、話を戻そう。
この H8 マイコンで電源の監視と制御をしているようで、何処かで不具合があると止まるようだ。
と言う事は...
少しファンが動くのはマイコンチップで制御している可能性があり、BIOS 以前の問題である可能性がある。それなら CPU が動いていないことになる...あっ、コア電圧を調べてなかった!orz
予想的中である。コア電圧が CPU に供給されていない!
コア電圧なら制御ICか Power MOSFET だろうと調べてみたが特に問題が無く、他にも何かあるのかテスターで調べてゆくと...なんと!コイルが切れているのを発見した。
しかし、テスターでコイルの端子を上から測ると正常。端子の横から測ると切れている...あれ?
よく分からないので取り外してみたら...
写真では見難いが内部のコイルとパッケージの端子の間に隙間が出来ていて切れていた。多分、熱で変形して切れたのだろう。
半田で補修しても熱で溶ける可能性があるので交換することにしたが、コア電圧系で使う 1.5uH が無く値が近い 1.8uH を取り付けてみた。結果は...修理完了である。
最初から電圧を全部調べていたら苦労することも無かったのに、動作状況に振り回されてかなり遠回りしてしまった感じである。
2008年1月23日水曜日
NEC LaVie LL500/2
※型番が間違ってましたので修正...orz
電源の入らないジャンクノートPCは本当のゴミであるのか分解するまでいつも不安である。
今回もそんな NEC LaVieLL500/3D (PC-LL5003D) LL500/2D (PC-LL5002D) を仕入れてみた。
いつもの手順で分解を開始してまもなく、AC アダプターの接続口が燃えているのを発見!
あぁ、半田クラックのまま使い続けて基板まで燃やしたのか...
しかも、普通では考えられないくらい大きい穴となっている。
あまりにも酷い状態なので GND とショートしていないか確認すると、400オーム前後?
ショートはしていないが抵抗値が少ないようだ。
Power MOSFET でも破損しているのか調べたがバッテリー端子のサブ基板まで Power MOSFET は無く、サブ基板を接続していない状態で400オーム前後となるので少し変だ。
更に調べるために接続口のコネクタを取り外すと、更に穴が大きくなっていて炭になっている。
ん、炭!
これが低い抵抗値の正体で、基板上でカーボン抵抗を作ってしまったようだ。
とりあえず抵抗値がある程度大きくなるまで穴を広げてみると、こんなになってしまった。
周辺の部品も熱で壊れている可能性もあるので調べてみると、フューズが断線気味とチップコンデンサが少し劣化しているようである。
さて、どう修理しようか?
コネクタはそのまま使えるが、フューズと周辺のチップコンデンサは交換。
空いた穴はエポキシ系接着剤で埋めて補修。
あとは配線をし直して完了。
今回の修理は基板加工が殆どだった...
電源の入らないジャンクノートPCは本当のゴミであるのか分解するまでいつも不安である。
今回もそんな NEC LaVie
いつもの手順で分解を開始してまもなく、AC アダプターの接続口が燃えているのを発見!
あぁ、半田クラックのまま使い続けて基板まで燃やしたのか...
しかも、普通では考えられないくらい大きい穴となっている。
あまりにも酷い状態なので GND とショートしていないか確認すると、400オーム前後?
ショートはしていないが抵抗値が少ないようだ。
Power MOSFET でも破損しているのか調べたがバッテリー端子のサブ基板まで Power MOSFET は無く、サブ基板を接続していない状態で400オーム前後となるので少し変だ。
更に調べるために接続口のコネクタを取り外すと、更に穴が大きくなっていて炭になっている。
ん、炭!
これが低い抵抗値の正体で、基板上でカーボン抵抗を作ってしまったようだ。
とりあえず抵抗値がある程度大きくなるまで穴を広げてみると、こんなになってしまった。
周辺の部品も熱で壊れている可能性もあるので調べてみると、フューズが断線気味とチップコンデンサが少し劣化しているようである。
さて、どう修理しようか?
コネクタはそのまま使えるが、フューズと周辺のチップコンデンサは交換。
空いた穴はエポキシ系接着剤で埋めて補修。
あとは配線をし直して完了。
今回の修理は基板加工が殆どだった...
2008年1月9日水曜日
PC2100 SODIMM 256MB
動作が不安定な PC2100 SODIMM 256MB を入手した。
メモリチップが壊れかけているので普通ならゴミと同じである。
ノートPCのマザーボードでチップセットやPCMCIAコントローラなどのBGA実装のチップが壊れていると、これもゴミと同じである。しかし、他の部品は使えるものが多く部品取りとして大変役に立っている。
と言う事で?ジャンクノートPCのマザーボードに載っているオンボードメモリをSODIMMに移植してみた。
今回のSODIMMは Infineon(Infineon Technologies AG) HYB25D256160BT-7 が8チップ載っているので128MB×2bank(16M×16bit×4chip×2bank)となる。まあ、普通のタイプのSODIMMと言う事である。
※ここで言う bank はメモリチップ内のバンクではなくマザーボード側から見たメモリバンクである。
手元にあったジャンクノートPCのマザーボードには Micron(Micron Technology) MT46V16M16TG-75B が8チップあり、同じように128MB×2bank仕様であるので、そのまま移植可能だ。
早速とゴテに火を入れマザーボードからメモリチップをはがし取りリードについている半田の除去とクリーニング、そしてリードの修正。SODIMMからも同様にメモリチップをはがし取り、基板の半田除去とクリーニングして準備完了である。
同時にチップコンデンサの容量確認と交換をしてあげると完璧である。
さて、ここまで準備が出来たらあとは簡単で、メモリチップの位置を決めたらブリッジすることを気にせず一気に半田を流して取り付け。あとは半田吸い取り線で余分な半田を取り除いて完了。このときメモリチップのリードの裏側に入り込んだ半田を綺麗に取り除くのがポイントとなる。
半田ブリッジしていないかよく確認して、更に電源ラインのショートが無いか確認もする。電源さえショートしていなければブリッジしてても壊れることはないので、そのままノートPCに入れて動作確認。動かなければブリッジしているはずなので、半田を修正して動作確認。あとは繰り返し...
まあ、ジャンクノートPCのメモリチップが死んでいなければこれで動くはず。
しかし、この作業で約3時間...やはりゴミのリサイクルには手間がかかる!
メモリチップが壊れかけているので普通ならゴミと同じである。
ノートPCのマザーボードでチップセットやPCMCIAコントローラなどのBGA実装のチップが壊れていると、これもゴミと同じである。しかし、他の部品は使えるものが多く部品取りとして大変役に立っている。
と言う事で?ジャンクノートPCのマザーボードに載っているオンボードメモリをSODIMMに移植してみた。
今回のSODIMMは Infineon(Infineon Technologies AG) HYB25D256160BT-7 が8チップ載っているので128MB×2bank(16M×16bit×4chip×2bank)となる。まあ、普通のタイプのSODIMMと言う事である。
※ここで言う bank はメモリチップ内のバンクではなくマザーボード側から見たメモリバンクである。
手元にあったジャンクノートPCのマザーボードには Micron(Micron Technology) MT46V16M16TG-75B が8チップあり、同じように128MB×2bank仕様であるので、そのまま移植可能だ。
早速とゴテに火を入れマザーボードからメモリチップをはがし取りリードについている半田の除去とクリーニング、そしてリードの修正。SODIMMからも同様にメモリチップをはがし取り、基板の半田除去とクリーニングして準備完了である。
同時にチップコンデンサの容量確認と交換をしてあげると完璧である。
さて、ここまで準備が出来たらあとは簡単で、メモリチップの位置を決めたらブリッジすることを気にせず一気に半田を流して取り付け。あとは半田吸い取り線で余分な半田を取り除いて完了。このときメモリチップのリードの裏側に入り込んだ半田を綺麗に取り除くのがポイントとなる。
半田ブリッジしていないかよく確認して、更に電源ラインのショートが無いか確認もする。電源さえショートしていなければブリッジしてても壊れることはないので、そのままノートPCに入れて動作確認。動かなければブリッジしているはずなので、半田を修正して動作確認。あとは繰り返し...
まあ、ジャンクノートPCのメモリチップが死んでいなければこれで動くはず。
しかし、この作業で約3時間...やはりゴミのリサイクルには手間がかかる!
2008年1月2日水曜日
PICプログラマーVer.4 USB
部品や組立キットを購入するのに秋月電子通商を利用しているが、あと一歩と思うものが結構多い。
PICマイコンなどは小規模の制御回路を1チップで作れてしまったりして便利なのだが、頻繁に新しいチップが出て古いチップの入手が難しくなり、新しいチップを使うことになってしまう。
そうなると、プログラミングしたコードを書き込むためのプログラマーを新しいチップに対応させなければならず、独自にプログラマーを作っていたゴテ屋としては少々迷惑な話となる。
秋月電子通商でも「PICプログラマー」の組立キットを販売している。
最新のVer.4ではマイコンチップを内蔵しファームウェアを更新してあげれば新しいチップに対応できたりして便利なのだが、今時シリアル接続なのはあと一歩と思えてしまう所だ。
そのうちUSBで動くプログラマーの組立キットが出るだろうと思っているが、なかなか出ない...
(シリアルをUSBに変換ケーブルで接続するセットは販売しているようです)
痺れを切らしたゴテ屋は、「PICプログラマーVer.4」完全コンパチのUSB版を作ることにした。
スペックとしては、
(1)基本ベースは「PICプログラマーVer.4 バージョンアップキット」を利用
(2)シリアルをUSBに変換して接続
(3)USBバスパワーのみで動作
(4)ファームウェアや制御プログラムは秋月電子通商のものを使う
で、作りました!(早)
シリアルをUSBに変換するのは FTDI FT232RL を利用。
プログラミング電圧はDC-DCコンバータである MAXIM MAX662 で+5Vから+20Vを作ってから可変型3端子レギュレータである STMicroelectronics LM317 で+13.5Vを生成。
残りの回路は秋月電子通商の「PICプログラマーVer.4」とほぼ同じである。
USB接続であるが仮想シリアルポートとしてWindows側に見えるので、当然プログラマーの制御ソフトは「PICプログラマーVer.4 バージョンアップキット」に添付されているものがそのまま使える。
消費電流が110mA程度となるため、FTDI FT232RL に初期設定されているバスパワー消費電流90mAをFTDIのホームページから入手できる設定ソフトで110mAに変更すると完璧。
ん~こんなに簡単なのにどうして組立キット化されないのだろう?
PICマイコンなどは小規模の制御回路を1チップで作れてしまったりして便利なのだが、頻繁に新しいチップが出て古いチップの入手が難しくなり、新しいチップを使うことになってしまう。
そうなると、プログラミングしたコードを書き込むためのプログラマーを新しいチップに対応させなければならず、独自にプログラマーを作っていたゴテ屋としては少々迷惑な話となる。
秋月電子通商でも「PICプログラマー」の組立キットを販売している。
最新のVer.4ではマイコンチップを内蔵しファームウェアを更新してあげれば新しいチップに対応できたりして便利なのだが、今時シリアル接続なのはあと一歩と思えてしまう所だ。
そのうちUSBで動くプログラマーの組立キットが出るだろうと思っているが、なかなか出ない...
(シリアルをUSBに変換ケーブルで接続するセットは販売しているようです)
痺れを切らしたゴテ屋は、「PICプログラマーVer.4」完全コンパチのUSB版を作ることにした。
スペックとしては、
(1)基本ベースは「PICプログラマーVer.4 バージョンアップキット」を利用
(2)シリアルをUSBに変換して接続
(3)USBバスパワーのみで動作
(4)ファームウェアや制御プログラムは秋月電子通商のものを使う
で、作りました!(早)
シリアルをUSBに変換するのは FTDI FT232RL を利用。
プログラミング電圧はDC-DCコンバータである MAXIM MAX662 で+5Vから+20Vを作ってから可変型3端子レギュレータである STMicroelectronics LM317 で+13.5Vを生成。
残りの回路は秋月電子通商の「PICプログラマーVer.4」とほぼ同じである。
USB接続であるが仮想シリアルポートとしてWindows側に見えるので、当然プログラマーの制御ソフトは「PICプログラマーVer.4 バージョンアップキット」に添付されているものがそのまま使える。
消費電流が110mA程度となるため、FTDI FT232RL に初期設定されているバスパワー消費電流90mAをFTDIのホームページから入手できる設定ソフトで110mAに変更すると完璧。
ん~こんなに簡単なのにどうして組立キット化されないのだろう?
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