2008年7月15日火曜日

NEC LaVie LL700/5

サボり始めて3ヶ月。どうやらゴテ屋には持久力が欠けているようである。
まあ、新しいネタが少なかったのがサボった本当の原因ではある。

さて、今回は NEC LaVie LL700/5 (PC-LL7005D) である。
入手時点で「DC コネクタがグラつき電源が切れる」「時計がリセットされることがある」と言う物で、簡単に直るだろうと考えていたがそうではなかった...

まずは状態を把握するために動作確認してみると、確かに DC コネクタがグラついて殆ど通電状態にならない。
このままでは動作確認も出来ないので、まずは DC コネクタの修理から取り掛かる。

いつものように分解しながら破損状況を確認してみると、確かに DC コネクタの3ピンの内2ピンが取れかかっている。しかも、1ピンは少し炭になっていて、もう少しで基板を炭化してしまうところだった。

幸いにも基板が無事なので、基板のクリーニング後に DC コネクタをゴム系接着剤を付けて固定後に半田付けして修理完了である。

これで通電が安定して出来るようになったので、残りの状況を確認することにする。
ざっと調べてみると以下のような不具合が見つかった。

(1)入手時点で指摘されている時計のリセットがたまにある。(DC/バッテリー共になし)
(2)FDD と DVD コンボドライブの読み込みが不安定。
(3)ヘッドホン端子が破損している。
(4)液晶のバックライト用インバーターが「チー」と鳴く。
(5)バッテリーが充電しない。(古い機種だから仕方がない)

不具合箇所が多すぎ...
何となく、2個1した余りで組み立てたような状態である。orz

それでは、1つずつクリアして行こう。

(1)の時計がリセットされてしまうのは内蔵のバックアップ電池の消耗が疑わしいが、電圧は 3V 以上あり問題はなかった。それならバックアップ電圧を切り替えるダイオードが破損しているのか?
回路を調べる前にバックアップ電池を取り外そうと持ち上げたら、電池フォルダの片足ごと持ち上がってしまった!きっと、バックアップ電池を取り外すときに壊したのだろう。
半田付けして終わりだが、ついでに(3)のヘッドホン端子も交換して修理完了である。

(2)の FDD は、分解してクリーニングとグリスアップでほぼ動くが、上側のヘッドは FD を挟み込むように動く部分でヘッドの角度がズレている場合がある。その場合は FD を入れたときに水平になるようにしてあげれば、ほぼ問題なく動く。ただし、微調整はかなり難しいだろう。

(2)の DVD コンボドライブは、半導体レーザーが劣化していなければピックアップレンズと内部のハーフミラーをクリーニングしてほぼ動く。それでも動かなければ半導体レーザーが劣化しているので、半固定抵抗を調整するが、これも微調整が難しい。それでも動かなければピックアップの角度や高さがズレているので、諦めた方がいいだろう。
今回はハーフミラーのクリーニングで読み込みや CD-RW の書き込みも安定するようになった。

残るは(4)のバックライト用インバーターの鳴きである。
バックライト用インバーターと言っても動作としては DC-AC コンバーターであるので単なる電源回路と考えよう。電源回路で鳴くのは殆どがコイルである。稀ではあるが、以前にチップコンデンサの不良で内部でスパークして鳴いていたこともあった。
まあ、コイルだろうと考えて分解してみると...

なんと!高圧用のコイルのコアが割れていた。

特に外部の損傷は見当たらないので、これは元々壊れていた可能性が高い。
予想では、インバーターの取り付けのときに基板を反らせてしまい、そのストレスがコイルに加わって割れてしまったと考えられる。検査でも通常通り動くのでそのまま出荷されてしまったのだろう。

割れていても動いていたことを考慮して、とりあえずコアをエポキシ系接着剤にて接着してみた。完全に硬化する前(少し弾力がある状態)に動作させてみると少し鳴っていたが、完全に硬化したら鳴きが収まったのでこれで修理完了としよう。

2個1の余ったようなジャンクノート PC でも実用上問題のないレベルに仕上がり満足な結果であったが、次の仕入れの時には状態をよく確認して入手したいものだ。

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