2008年4月4日金曜日

NEC MK+ Series

今回は NEC LaVie LL550/5 で使われている MK+ Series キーボードである。

この機種のキーボードは高確率でキーボード不良となるようで、ジャンクが沢山出回っている。以前に「キーボード交換では直らない」という記事を書いたが、この機種では一概にそうとは言えないので詳しく調べてみることにする。

一般的にノート PC のキーボードは分解できない構造のものが多いが、この機種では比較的容易に分解することが出来る構造になっている。分解手順は次のようになる。

(1)キートップを取り外す(パンタグラフの向きに注意)
(2)カーソルキー近くのプラスチック部品を取り外す(裏からネジ止め)
(3)パンタグラフを取り外す(2つのパーツになっていて、片方をスライドさせると外れる)
(4)シリコン系のシートを取り外す(キーの接点を押すためのシート1枚)
(5)配線パターンと接点を持つシートを取り外す(ここが回路になっている)

説明すると簡単なようだが、キーの数が多いので時間がかかる...

(5)まで作業するとこのよう状態になる。

このキーボードは何かの液体をこぼしたようで、その痕がハッキリと確認できる。しかし、配線パターンのシートは密閉構造なのでこれがキーボード不良の原因ではない。

では、何が原因かと調べてみると...なんと、原因は配線パターンの構造にあった!

写真の右下にあるのが配線パターンや接点を持っているシート1枚だが、実は上中下の3枚シートで構成されている。
中間のシートは上下のシートの絶縁のみで、配線パターンは上下のシートにあり、左端の所で折り返されていて、広げると1枚のシートになる。上下それぞれのシートには接点を持っていて、キーを押すとその接点が接触してスイッチを構成している。
配線を横切る場合もあるので、その場合は絶縁体を配線の上に塗布してからその上に更に配線している。

さて不良の場所だが、この絶縁体(写真の右下のシートの緑色の部分)が不完全なところがあり、配線の下と上で少し抵抗値を持ったような状態でショートしているのである。

今回見たキーボードでは、十字に重なるような部分では問題は無いが、下の配線と同じ向きに長い距離の上の配線がある部分で半ショートしていた。

半ショートした原因は、予想では周囲の湿度の影響で絶縁体が劣化したのだろうと思われるが、そもそも長い配線を絶縁体の上で配線するような構造が悪いのだろう。

このキーボードが付いていた NEC LaVie LL550/5 だが、キーボード不良以外にマザーボード側にも不具合があってキーボードが動かなくなっていた。やはりキーボードの交換だけでは完全には直らないようだ。

1 件のコメント:

たつおじいさん さんのコメント...

1年半遅れですが、この記事を呼んで納得しました。
それにしてもS(と)のキーが不良との記事が多いのですがキーボードの構造と何か関係があるんですかね?