今回もまた電源の入らないジャンクノートPCである。(笑)
物はいつもの VIA KT133 チップセットを使った NEC LaVie LL1000N/84DH (PC-LL1000N84DH) で、もう何度も修理しているお馴染みの筐体となっている。
何処が壊れているのかワクワクしながら分解してゆくと、特に気になる部分も無くマザーボードも綺麗なもので、久々に手応えのあるジャンクのようだ。
早速とバラック状態で動作確認してみると...
(1)通電は可能
(2)2つあるファンが少し動いて止まる(1秒前後)
(3)電源スイッチの長押しで電源が切れる
(4)光学ドライブのイジェクトができない
ん~ここまでではファンが少し動くので BIOS 飛びか、光学ドライブに通電されていないように見えるので +5V 系のトラブルか?
今度は CPU を取り外してマザーボード単体で各部の電圧を調べてみた。
(1)気になっていた +5V は正常
(2)+3.3V や Vtt 等の通常使う電源系も正常
(3)電源投入や強制切断が出来ているので問題ないと思いながらスタンバイ系も調べたが正常
益々 BIOS が怪しくなってきたが、少し変である。
+5V が正常なのに光学ドライブのイジェクトが出来ていない。
そう、IDE インターフェースを受け持っているサウスチップが動いてなく IDE が常にリセット状態のようだ。
デスクトップPCならサウスチップで電源制御しているので電源投入や強制切断が出来ているとほぼサウスチップは動いていると思うが、インスタント機能や独自の制御を持つようなノートPCでは別にマイコンチップ(Embedded Controller の場合もある)で電源制御している。
このマザーボードでは HITACHI(RENESAS) HD64F3434TF16 が使われており、H8 マイコンと言えば知っている人も多いだろう。ちなみにこのマイコンは H8/3437 シリーズの1つで H8/300 シリーズとプログラム上は同等らしい。
さて、話を戻そう。
この H8 マイコンで電源の監視と制御をしているようで、何処かで不具合があると止まるようだ。
と言う事は...
少しファンが動くのはマイコンチップで制御している可能性があり、BIOS 以前の問題である可能性がある。それなら CPU が動いていないことになる...あっ、コア電圧を調べてなかった!orz
予想的中である。コア電圧が CPU に供給されていない!
コア電圧なら制御ICか Power MOSFET だろうと調べてみたが特に問題が無く、他にも何かあるのかテスターで調べてゆくと...なんと!コイルが切れているのを発見した。
しかし、テスターでコイルの端子を上から測ると正常。端子の横から測ると切れている...あれ?
よく分からないので取り外してみたら...
写真では見難いが内部のコイルとパッケージの端子の間に隙間が出来ていて切れていた。多分、熱で変形して切れたのだろう。
半田で補修しても熱で溶ける可能性があるので交換することにしたが、コア電圧系で使う 1.5uH が無く値が近い 1.8uH を取り付けてみた。結果は...修理完了である。
最初から電圧を全部調べていたら苦労することも無かったのに、動作状況に振り回されてかなり遠回りしてしまった感じである。
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